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西田宗千佳のトクする家電生活

2007年09月18日

■サイクロン式のおさらい!

この2年ほどで、掃除機は大きく変化しました。その引き金となったのが、「サイクロン掃除機」のブームです。2005年、英・ダイソン社が日本に本格参入したことにより、掃除機はすっかり「サイクロン式」が主流となりました。

掃除機は、ゴミと一緒に空気を吸い込んで、ゴミと分別する機械、ということができます。サイクロン式とは、ゴミと空気の分別を、空気の渦による遠心分離で行うものです。既存の掃除機は、ゴミの分別に、フィルターや紙パックを利用していました。そのため、ゴミがたまって、それらが目詰まりするにつれ、本来持っていた吸引力を発揮できなくなっていくのが問題でした。

■日本の掃除機は、フィルタが必要?

ですが、その常識を覆したのが、ダイソンのサイクロン式でした。フィルターにほとんど依存していないため、常に吸引力が一定です。そのため、トータルでは「吸引力が上がった」ように感じます。これこそが、サイクロン式の人気の秘密なのです。現在は、日本国内向けのベーシックモデル「DC12シリーズ」が主流です。

しかし、特許の関係もあり、ダイソン社と同じ、完全にフィルターに依存しないサイクロン式を、国内の家電メーカーは採用することができません。「じゃあ国産サイクロンはニセモノ?」と感じてしまいそうですが、決してそういうわけではないのです。その秘密が、「自動清掃」です。

■「10年間お手入れ不要」が、最も賢い選択!

国産サイクロンの弱みは、フィルターの目詰まりと無縁ではいられないこと。ならば、フィルターをこまめに掃除すれば、問題は解決することになります。人の手でやるなら面倒なだけですが、自動でやってくれるなら話は別。毎回掃除が終わるたびに、フィルターを揺するなどして、付着した埃を落としていって、目詰まりを防止するのです。

東芝の「タイフーンロボXP エアロファイン」は、内部の微細なチリが再付着するのを、空気の力で防止することで、最長10年間もフィルターをお手入れすることなく、強い吸引力を維持することができるようになっています。また日立の「ごみダッシュサイクロン CV-SL9」も、フィルターをパネルやワイヤーがたたくことで、フィルターをこまめに揺すり、埃の付着を防いでいます。

いまや、国産サイクロンでは、「10年お手入れ不要」がキーワード。すでに紹介した東芝・日立の他、シャープに三洋、松下など、続々「10年」をウリにした製品が登場しています。

■サイクロンに紙パックの技術!

その上で差別化点として各社がアピールするのは、吸引用ブラシの性能や排気の純度といった、紙パック式で培った技術です。中でも注目は、三菱電機の「ラクルリ TC-C3FP」。本体がかわいい円形をしており、どんな方向にも滑って動くようになっています。そのため、壁などにぶつかっても、スムーズに動いて、ストレスが少ないのが特徴です。デザインの面白さ・美しさでも、ダイソンと十分互角に戦える製品といえるでしょう。

ただ、そんなサイクロン掃除機にも、弱点が一つあります。最近、「サイクロンにしたら、落ちないはずの吸引力が落ちた」と言う人がいます。実はサイクロン掃除機には、使い方に大きな「注意点」があるのです。

■サイクロンの弱点?!

サイクロン掃除機は、ゴミを空気で分離するため、ゴミが集まる「ダストカップ」の中に、空気とゴミ・チリが自由に動けるスペースが必要になります。すなわち、ダストカップがいっぱいだと、本来の性能を発揮しずらいのです。

紙パック式掃除機の場合には、掃除機からゴミを捨てるのは、紙パックがいっぱいになった時だけ。頻繁にゴミを捨てる必要はなかったし、逆にいえば、頻繁に捨てるのは経済的とはいえませんでした。

ですが、サイクロン式では逆に、掃除のたびにゴミを捨てないと、能力が発揮しづらいのが実情。このあたりを理解しておかないと、サイクロン掃除機は紙パック式に劣るのです。吸引力よりも「ゴミ捨ての手間」を重視するなら、サイクロンより紙パック式、ということになるでしょうか。そのためか、今年になって、あえて「紙パック式」の良さを打ち出す広告も増えており、今後はサイクロンと紙パックが両立した形で市場が作られていくことになるでしょう。

■いいところを合わせるのが国産メーカー!

そんなところに着目して開発されたのが、三洋の「The持吸力マラソンサイクロン SC-XW22J」です。この掃除機は、珍しい紙パック/サイクロン兼用モデル。紙パックを使うことも、サイクロンとして使うことも可能になっています。

この製品も「10年お手入れ不要」ですが、その実現方法は、ちょっと変わっています。フィルターの前に、「チリ除去用」に、普通のティッシュペーパーを一枚挟むのです。ゴミを捨てる際に、このティッシュペーパーも捨てることで、フィルターの目詰まりを防ぐ、という仕組みです。その性質上、他の製品と同様に「お手入れ不要」と言ってしまうのはちょっと違う気もしますが、目詰まりは確かにありません。また、構造が単純になるためか、他の「お手入れ不要サイクロン」に比べ、価格が安くなっているのもポイントです。


 


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