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西田宗千佳のトクする家電生活

2007年05月29日

■どんな人でも使う家電?

恐らくどんな人でも毎日使う調理家電、それは「電気ポット」です。いつでも熱いお湯が使えるのは、やっぱり便利なもの。調理を全然しない人でも、お茶やカップラーメンを作るために、ポットだけは使うものです。

そんな電気ポットですが、ここ数年、使い方に関する常識が大きく変わりつつあります。それは、「溜める」から「使う」という発想の転換です。

■電気ポットというぐらいだから…

電気ポットは、お湯を貯めておく魔法瓶から発展した機械です。容量の大きな、蓄熱性の高い容器に、加熱機能を追加したもので、一旦沸かした大量のお湯を、長時間保温しておいて、いつでも使えるようにしたもの、といえます。

ところが、最近売れ行きの高まっている「電気ケトル」は、考え方が違います。この種の製品には、電気ポットと違い、基本的に保温機能がありません。製品にもよりますが、一度に扱える水の量もおおよそ2リットルまでで、最大5リットル扱える製品がある電気ポットとは、かなり差があります。

■「溜める」ことより「沸かす」こと

でも、それは当たり前なのです。電気ケトルは、お湯を溜めておかず、「使うたびに手早く沸かす」ことを狙った製品だからです。

電気ポットの場合、お湯が沸くまでには最短でも4、5分かかります。3リットル以上の大容量タイプを使っていて、水を満タンにして沸かすなら、10分以上かかることも珍しくありません。

■一度慣れると便利な速さ!

ですが、電気ケトルは違います。入る水は1リットル程度ですが、とにかく沸くまでの時間が短い!コーヒー1杯分の、200ml程度の水ならば、1分以内でお湯が沸きます。私も電気ケトルを毎日使っていますが、ガスコンロで沸かすよりも速いくらいなのです。

お湯を、使う時に使う時だけ沸かす。

そうすれば、いつでも清潔で、熱いお湯が楽しめます。出力が大きいので、加熱時の消費電力は電気ポットより大きいのですが、保温する分の電力を消費しないので、トータルでの消費電力は、電気ケトルの方が少なくなるようです。

■電気ケトルといえば

そんな、電気ケトルの認知度を一気に開いたのがティファール。フランス生まれらしい、ポップで柔らかな曲線を生かしたデザインが人気になり、現在も、電気ケトルといえばティファール、という感じになっています。

ティファールの電気ケトルは、主に容量で名前が分かれています。主流は、0.8リットルタイプの「アプレシア」と、1.2リットルタイプの「ジャスティン」。どちらも、様々な色のモデルが用意されています。

■ティファールの弱みとは?

ただ、電気ケトルは、それほど複雑な構造の機器ではありません。そのためか、ティファールの人気を受けて、様々なメーカーから、様々なデザインの電気ケトルが販売されるようになりました。いまや、製品のバリエーションでは、電気ポットも電気ケトルも、ほぼ横並び、というくらいになっています。

特に最近は、ティファールの弱みである「プラスチック製」というところを突いて、ステンレス製のものが多くなっています。プラスチック製のものは、購入した当初、お湯にプラスチック的な臭気が感じられることがあるため、それを嫌って、ステンレス製を選ぶ人が増えているからです。ティファールもステンレス製の「ニューヴィテスエクスプレス ステンレス」を投入、対抗しています。

■デザインがカワイイ電気ケトルも

ティファール以外でおすすめは、イギリスのメーカー、「モーフィーリチャーズ」の「ブレックファーストシリーズ イルマケトル」です。本体に特殊な強化ガラスを採用、使っていない時にはステンレス調の見た目ながら、お湯を入れて使っている時には、透明になり、水がブルーにライトアップされます。デザイン的に優れているだけでなく、水の残量がわかりやすいというメリットもあります。

こういう様子を見ると、「じゃあ、もう電気ポットは時代遅れなんだ……」と思われがちですが、そんなことはありません。同じお湯を扱うものですが、生活スタイルにより、電気ケトルより電気ポットの方が向いている、という人も多いのです。

■溜めておくことが重要な方はポットを

例えば、お年寄りや体の不自由な人。電気ケトルは、お茶を入れようと思うたびに水を入れて沸かす、という作業をしなくてはいけないため、自由に動けないと、少々面倒を感じがちです。

また、煎茶などの味にこだわる人は、電気ポットの方がいいでしょう。電気ケトルは、コンロなどとおなじように、「とにかく沸騰」させることしかできません。それに対して電気ポットは、一旦沸騰したお湯を少しだけさまし、煎茶などに適切な、70度から80度に保っておくことができます。電気ケトルの場合、一度沸騰させてから少しさますことで、同じ効果を得られるわけですが、さましすぎては意味がありません。電気ポットなら、放っておいても温度を保ってくれるので、より使いやすいわけです。

■消費電力を抑える、節約ポット!

そんな電気ポットの中でもおすすめは、インテリジェントな電力管理機能を持った製品です。

例えば、タイガーの「VE電気まほうびん とく子さん PVP-A300-CU」は、過去14日間の利用状況にあわせ、保温ヒーターの働き方を自動スケジュール化してくれるので、放っておいても消費電力を抑えてくれます。

松下の「VIP魔法びんNC-SU22A-SW」も、タイガーの製品同様、これまでの利用パターンを解析して電力を節約する「おまかせ節約」機能を持っています。またこの製品では、活性炭内蔵の浄水フィルターがついていて、カルキ・カビ臭・トリハロメタンを約90%カットし、おいしくきれいなお湯を作ってくれます。

象印の「CD-WE40-HC」は、レギュラーコーヒーのドリップ向けの「カフェドリップ給湯」機能を持っています。一度に出るお湯の量を60%に抑えることで、お湯を飛び散らせず、ゆっくり抽出することができます。

お湯を沸かせれば同じなんじゃない? と思いがちな電気ポットも、これだけインテリジェントになっています。「シンプルで毎回沸かす電気ケトル」「インテリジェント機能で、自動でらくらくお湯を準備する電気ポット」という風な住み分けになっている、と考えればいいでしょうか。


 


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