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2007年03月20日

■薄型テレビは、何が変わったのか

一昨年から始まり、今なお続く薄型テレビの活況ですが、毎年センセーショナルなニュースが幾つも報道されるため、自分にピッタリなテレビはおろか、今販売されているテレビ自体が、どのようなものかすら分かりにくくなっているのではないでしょうか。今回は薄型テレビの概況を知ると共に、「今後どういった方向にテレビが向かい、流行が移っていくのか」という点に触れたいと思います。

■最適な画面サイズとは

ハイビジョンという新しい放送はNHK放送技術研究所が開発しました。同研究所の研究結果によれば、「日本における一般家庭でのハイビジョンを観るテレビの最適サイズは53.5インチ」ということです。これは、一般的な家庭のテレビに対する視聴距離が2mであったこと、ハイビジョンの臨場感を感じる人間の視野角が30度であったことから算出された値です。つまり、現在放送中である「BSハイビジョン」や「WOWOW」、「地上デジタル放送」は、53.5インチのテレビで視聴することを前提に制作されているということですね。それが「ハイビジョンの視聴原則」ということです。旧来のブラウン管テレビでは、重さの問題で実用的でなかった36インチ以上の画面が、液晶テレビやプラズマテレビの登場によって簡単に実現できるようになったため、このサイズが実用できました。ですから、いま、50インチ台のハイビジョンテレビが売れているのは、理論が実践されている過程なのですね。

■テレビ受像機より先に、放送がある

このような理論上のガイドラインに従って放送を制作することには、大きな理由があります。視界の大部分を占める映像が激しく揺れたりするものであると、視聴している人の目に強い刺激を与えかねないからです。大画面で視聴することを前提としたハイビジョン放送、特にBSデジタル放送でも103チャンネルのNHK・BShiは、カメラの動きや映像の撮り方について細心の注意を払い、制作されています。ですから、ハイビジョンとは何かを勉強するにはNHK・BShiを観るといいですね。

■流行の移り変わりと、明確な違い

「液晶は小型向き」と言われてきましたが、今や主流は30インチ台になり、32型、37型の液晶テレビは価格競争が激しくなっています。その結果の急速な価格低下を受け、消費動向も32型から37型へ移り変わろうとしています。42型が主流だったプラズマも50型へと向かう動きが強いです。それに併せて、「フルHD」をラインナップに加える動きが強く、液晶では37型はすべてに「フルHD」化を完了しています。32型では現在「フルHD」のモデルはシャープ一機ですが、これから増えるでしょう。小さなサイズの「フルHD」は開発が難しいです。それと、ユーザーにとってその御利益がいつも享受できるものでもありません。何より画素の縮小化に技術を要しますね。

さきほどのハイビジョンの原理かにして理想の臨場感を体感できるのは50型以上ですので、フルHDの高精細の映像を充分に堪能するためにも、50型以上の薄型テレビを選ぶことをお薦めします。具体的に商品を紹介しながら、解説をしていきましょう。

■液晶の、さらに磨きがかかった弱点の補強

古くから液晶の「三大欠点」と言われていた「視野角の狭さ」「残像感」「コントラストの薄さ」は、日進月歩で軽減されています。例えばビクターの「EXE LT-42LH800」は、画面を「1秒間に60枚」見せていた旧来機に対し、「1秒間に120枚」見せるように改良し、「残像感」が軽減されるように改良を加えた商品です。

東芝の「REGZA 47Z1000」は、液晶が本来持つコントラスト表現をうまく活かし、しなやかで柔らかい映像を映し出すことができます。視野角を大きく広げるIPS液晶を採用しています。

シャープの「AQUOS LC-52RW1X」は、残る課題だった「コントラストの薄さ」を対策し、2000:1であったものを3000:1としました。ソニーの「BRAVIA KDL-46X2500」も、ハイコントラストであるのに色の鮮やかさが自然な映像を映し出すことができます。

■各液晶メーカーの大きな違いとは

液晶テレビを製造しているメーカーには、2つの種類があります。シャープのAQUOSのように、液晶パネルとそれ以外の部分を全て自社で開発し、組み立てているメーカーと、ソニーや東芝、ビクターのように、液晶パネルを他社から買い、それ以外の部分と組み立てを自社で行なっているメーカーがあります。それぞれ「垂直統合型」、「水平分割型」と言いますが、前者は総合的な質を高める代わりに高価に、後者は総合的な質を平均的にする代わりに廉価になる傾向があります。勿論、同じメーカー内で高級モデルや普及モデルという違いがありますので一概には言えないのですが、商品を選ぶ際にはそうした点に注目しましょう。

■高精細化が進むプラズマ

前回の薄型テレビの記事中で「液晶」と「プラズマ」の違いに触れましたが、主な用途によって得意な映像表現が違うことは現段階でも変わっていません。プラズマは、深みのある表現力を生かして、DVDなどのパッケージ商品を鑑賞するのに向くという強みと、最近では「フルHD」に対応した高精細さが目立ってきています。

松下の「VIERA TH-65PZ600」は、もともとハイコントラストだったのに加えて精細さ、色の再現性が高まり、立体感や臨場感が伝わる映像を堪能できるようになっています。このモデルを含め、昨夏に発表され、世界中から賞賛を得た103/65/58/50型の4機種の出来は特に素晴らしく、103型はフルHDでは足りないぐらいの大きさですが、他3つは映画でもスポーツでも一般テレビ番組でも楽しめるフルハイビジョンモデルです。

全薄型テレビの中で最高画質が、パイオニアの「ピュアビジョン PDP-5000EX」でしょう。今までブラウン管以上の質感を表現する薄型テレビはなかったのですが、これは「映像が濡れている」と言えるぐらい、オブジェクトの質を精細に表現します。ある種、薄型テレビが越えられなかった壁を乗り越えたともいえるモデルです。

■番外編 リアプロジェクションテレビ

番外編としてリアプロジェクションテレビのオススメモデルも紹介しましょう。液晶やプラズマに比べると画質面がおぼつかないリアプロですが、ソニーの「BRAVIA KDS-60A2500」はリアプロとは思えないほど画質が素晴らしく、コントラストがあって艶のある、人の目に優しい映像を表現します。特に映画はとてもしっとりとした描写です。以前、同社から発売されていたQUALIAのリアプロジェクターは大変高価でしたが、Aシリーズは一般的な価格で手に入れやすいモデルになっています。QUALIAにとって代わるモデルと言ってもよいでしょう。

多くの商品が登場したことで消費者の選択肢が格段に広がり、商品を選ぶにも迷いやすくなりました。上手な選び方をすれば、ブラウン管以上に自分に合ったテレビを見つけることができます。ぜひ、楽しいテレビライフをご堪能ください。


 


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