2006年10月16日
今回は耳元にこだわり、ヘッドホンについてお話いたします。大昔は本格的で大型の密閉型ヘッドホンが中心でしたが、1980年代に誕生したソニーのウォークマンにより、"音楽を外で聴く"というスタイルが確立し、音楽と外の景色の一体感を楽しめるようになりました。さらにiPodが大ヒットしたことで、今日では軽量でカジュアルなものが多く出回っています。今回はヘッドホンの正しい選び方とオススメのヘッドホンを紹介しましょう。
■良いヘッドホンを選ぶためのポイント
まずは良いヘッドホンを選ぶためのポイントです。
・製品付属のヘッドホンを使い続けない
ウォークマンなどの携帯音楽端末で音楽を聴く時、製品に付属していたヘッドホンを使われている方が多いと思いますが、付属ヘッドホンは必ずしも機器によく合った最高の音質であると言えません。どちらかと言うといまひとつのものが多いですね。自分に合ったヘッドホンを選ぶために、まず一定期間は付属のヘッドホンで音を聴いてみて、自分の音の好みがはっきりしてきたら、良いヘッドホンを手に入れることを検討してみましょう。
・実際に店頭で試聴してみる
前回の「新世代コンポ」と同じように、ヘッドホンも音のバランスや音質に注意して選ぶことが大切です。その最も簡単な方法として、実際に店頭で試聴してみるといいでしょう。視聴するときは低音・中音・高音それぞれがバランスよく聞こえ、芯がしっかりした音に聞こえるかどうかに注意してみましょう。音の芯がふわふわして弱いものは避けるべきですね。そんな中で自分好みの音が、心地よく聞こえるものを選びましょう。携帯音楽端末用のヘッドホンを探したい場合は、自分の持っているプレーヤーを持って行き、ヘッドホンを直接つないで聴いてみるのがベストです。
・自分の聴き方に応じて、方式を選ぶ
ヘッドホンにはオープンエア型、密閉型(クローズド型)、カナル型などさまざまな方式のものがありますが、密閉型とオープンエア型の2つが基本です。密閉型は音にこだわって作られているものが多いですが、外の音が聞こえづらいという難点がありますので、外の音も楽しみつつ開放感を感じながら音を聴きたい場合は、オープンエア型のほうがいいでしょう。実際に聴き比べてみて、音の聞こえ具合の違いを確かめてみましょう。
・自分の耳や髪型に合うものを選ぶ
耳掛け式の場合、自分の耳にフィットしてずり落ちず、あまり重くないものを選びましょう。またヘッドバンドが髪の毛に密着するタイプの場合は、髪型に合うかどうかも重要なポイントです。
■消音ヘッドホンを選ぶ時の注意点
最近では周囲の雑音を消して、再生する音だけを明瞭に聴くことができる消音ヘッドホンというものがあります。ただ単純に音楽を聴くだけでなく、飛行機に乗っている時に周囲の騒音を消すということを目的とする方もいますね。消音ヘッドホンの場合も、他のヘッドホンと同じように、まず消音機能を使わない場合の音質をチェックしましょう。良いものは音のバランスが良く、気持ちよく伸びる音です。消音効果は音を聴いている時の効果と、音を聴いていない時の効果の2パターンがありますので、両方のパターンで試聴してみましょう。
消音ヘッドホンで注意しなければならないのは、マスキング効果を用いたヘッドホンです。格安な製品でよく見かけるのですが、実際は外の音を消しておらず、音を大きく聞かせ、マスキング効果で、外の音を聞こえにくくするというものです。消音効果にこだわるなら、アクティブに音を消すタイプを選びましょう。
■私がオススメするヘッドホン
では、私が勧めたいヘッドホンを5点紹介します。
1つ目はすべての音がはっきりくっきり聞こえるソニーの「MDR-EX90SL」です。これは音のプロ用に開発されたもので、解像度が高く非常にクリアな音で、細かい音まではっきり聴くことができます。圧縮音楽のような劣化した音でも音質向上効果もあるので、良く聞こえます。非常に軽くて耳とのフィット感も良く、ソニーがこだわりを持って開発したことがうかがえる商品です。
2つ目は音の爽やかさや心地よさがクリアに聞こえるオーディオテクニカの「ATH-EC700 Ti」です。ヘッドホンの専門メーカーと言ってもよいほど、優れたヘッドホンを開発しているオーディオテクニカですが、これは周波数特性が広く、すっきりとノイズが少なくクリアでワイドな音が楽しめる製品です。高解像度で、音の切れ味、弾力感が抜群です。ここまで素晴らしい音はスピーカーでもなかなか聴けません。
消音ヘッドホンもオススメしましょう。3つ目はドイツのヘッドホン専門メーカー・アーカーゲーの「ノイズキャンセリングヘッドフォン K28NC」です。これは音のクリアさ、厚み、スピードなど基本的な音がオーディオ的な観点で聴くと抜群に良いものです。肝心の消音効果も優れており、変にノイズを除去したような感じもないので、自然です。全体的に性能の良いヘッドホンです。
4つ目は同じく消音ヘッドホンの、BOSE「Quiet Comfort 3」です。消音ヘッドホンの代表製品として大ヒットした前シリーズ「Quiet Comfort 2」より軽く小さくなり、また前製品は密着型でしたが、オープンエア型のものになりました。「消音ヘッドホンといえばBOSE」と言われるぐらい消音効果が高く、音質もBOSEならではのしっかりとしたツヤのある音を聴くことができます。
最後に本格的にヘッドホンの音質を楽しんでみたいという方にオススメなのが、オーディオテクニカの「ATH-W5000」です。少し値が張りますが、「中途半端なスピーカーやアンプはいらない!」と思うほど、素晴らしい音質が楽しめます。ヘッドホンでは再現しにくいクラシックの厚みや質感を再現できる、落ち着いたたたずまいを聴かせる製品です。(なお、このヘッドホンには消音機能がありません。)
お持ちのプレーヤーや好みの曲をよりよく聴くために、ヘッドホンにこだわりましょう。






